今日はちょっとした禁煙キャンペーンをしようと思います。鳥井です。
タバコを吸う医学生の現状
医学生の喫煙率?
医学部の外にいる方たちは、「医学生たる者、他人に禁煙を勧めることはあっても自らが喫煙者になるような愚かなことはしない。なぜなら医療者の卵なのだから」などと考えている人が多いでしょう。
授業では肺癌やCOPDなどの呼吸器疾患の現状を学び、殊更健康への意識が強いはずの医学生。
近年の大学生の喫煙率は減少する一方で、とある調べでは全体の1割だとも言われています。
この傾向を見ると、医学生の喫煙率はゼロでもおかしくなさそうですが、その現状は(うちの大学の場合)5~10%といったところでしょうか。大差はないのです。
きっかけは部活の先輩にあり
大学生の悪習慣はたいがい悪い先輩からの影響によるものが多いですよね。
医学部のタバコについても同じことなのです。
一学年100人のうちの10人が喫煙者だとすると、その喫煙者の学生はたいてい似た部活に所属しています。
うちの大学の場合は(風評被害になってしまうので念のため注釈)それが軽音部に当たります。軽音部に所属する同級生の半分以上が喫煙者なのです。
部活の先輩から代々、喫煙の習慣を継承しているのです。
決して強制されているわけではないのですが、カッコいい先輩がタバコを吸っているのを見ると影響を受けてしまうんですね。
たしかに軽音の先輩は他部活の先輩よりも雰囲気がカッコいい気がします←
喫煙習慣と留年の相関
タバコに含まれるタールや一酸化炭素が肺癌や慢性閉塞肺疾患(COPD)などを引き起こす危険性を高めるという一文はタバコのパッケージにも記載がありますし、医学生ならずとも周知の事実でしょう。
これを格好のいい表現をしますと、「タバコは呼吸器系の疾患のリスクファクターである」という言い回しができます。
そして今回私が統計データに基づいたわけではないけれど、どうやら尤もらしい説として
「タバコは留年のリスクファクターである」と伝えたいのです。
医学部は比較的留年の多い学部として知られていますが、私の大学の医学部も例に漏れません。
年度末には各学年から進級が叶わなかった学生の情報が口づてに回ってくるのですが、私の知っている留年者の半分以上が喫煙率の高い部活に所属する喫煙者だったのです。
何もタバコが直接の原因になっているわけではありませんが、長期間に渡ってデータを取れば、きっときれいな相関図が描けるのではないかと思っています。
おわりに
タバコに含まれるニコチンには依存性があります。
頭が冴えた感じがするのはニコチンを摂取していないときのイライラから解放されるからであり、決して頭脳が明晰になったわけではないのです。 むしろ吸っていないときのストレスは、喫煙者の居場所のないこれからの社会を生きていくのには随分と不自由でしょう。
どうするか。
学生のうちにやめておいた方がいいと思いますね。 しかしやめられない気持ちもよく分かります。
ベストセラーにもなった禁煙関連の書籍を置いておきます。これでダメなら禁煙外来ですね。
「この本を読み終わるまで、絶対にタバコをやめないで下さい、必ず吸いながら読んで下さい」という挑戦的な前書きには驚かされますね。