いがくぶっく

医学生ブロガー。医学生の日常とダイエット法の体験記事を主に書いていきます。ライター・プロブロガーという肩書きにぼんやりと憧れを抱いております(笑)

向井理主演「僕たちは世界を変えることができない」の医学生による感想

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実話(葉田甲太さんという医学生の体験記)に基づいた、医学生が主人公の映画だと聞いてDVDを手に取りました。

感想は3点

  • フィクションとしては少し退屈だが、実話なので仕方がない。
  • カンボジアについて知るきっかけとなる。
  • ボランティアは自己満足でいい。時には世界を変えることはできるかもしれない。

あらすじ

授業、コンパ、バイトとありきたりの学生生活を送る甲太(向井理)はそんな現状を変えてみたいという漠然とした理由で、カンボジアの子どもたちのために学校を建てようと思い立つ。

カンボジアに思い入れがあるわけではなく、選んだ理由はたまたま郵便局にボランティアのパンフレットが置いてあったものに目がついたから。

必要資金の調達のためにイベントサークルを立ち上げて奮闘し、実際にカンボジアに足を運ぶことでボランティアの動機を固くしていく。

カンボジアの歴史や現状について知る

この映画の見どころは甲太(向井理)たちが初めてカンボジアに訪れるシーンで、観光ガイドの案内でカンボジアの歴史や現状についてドキュメントタッチで描かれているところでしょう。

エイズ病棟でHIV患者の女性と交流し、トゥールスレン博物館(元強制収容所)を訪れてポルポト政権の悲惨な歴史や現地人ガイドの身の上話を聞く。貧困で学校に通うことのできない少年と触れ合い、日本の学生たちの手に負えないほどの問題の根深さがあることを再認識させられます。

全体のストーリー展開はなにか劇的なものがあるわけではなく、また協賛してくれていた企業の社長が逮捕されたり、サークル内で内輪揉めして分裂し始めたりの危機が訪れるものの、それらを解決する過程がほとんど描かれていないなど、作品としての不十分さが感じられました。

実話に基づいた脚本である以上、それも仕方がないかと思いますが、そのわりには変に演出が臭かったりしていて、首を傾げてしまうところもありました。さらにいっそうドキュメントタッチで描いてほしかったです。

余談ですが、私の大学には阿部寛の演じるようなタイプの教員はひとりもいないので、ここが一番リアリティを感じられませんでした(笑)

ボランティアは偽善でも自己満足でもいいと思う

サークル内が分裂しそうになるなかで、メンバーの学生たちが口々にそもそも論を唱えはじめます。

「建物を建てたところで自己満足じゃないのか」 「そもそもなんでカンボジアなのか」 「日本にも困っている人がいるのでは」

甲太の出した結論は「僕たちがどんなにあがいても世界はびくともしません。きっと何も変わりません。だけど、誰かのために何かをする喜びは、自分のために何かをする喜びを上回る時があるんじゃないかと思うんです

自分の行動が誰かのためになっている実感。それが嬉しいから。それで充分なのです。

偽善と言われようと、自己陶酔だと気付いても、目の前のひとが喜んでいたらそれでいいと思います。

本当に世界を変えたいのならば

おわりに・・・

個人のボランティアによる「一滴の水」では未来は変わらないかもしれません。

必要とされるのは支援の継続性だったり、善意だけで済まない支援金だったり、厳しい現実にぶつかってからの強かさであったり

試行錯誤を繰り返す強さがあれば、それがいつかは自己満足の域を越え、実を結ぶのかもしれません。

現に原作者の葉田甲太さんは今も世界を変えようと活動を続けているようです。

エンディングのテロップでは以下の文章が示されており

2011年現在、カンボジアの小学校は約6,700校。そのうち700校以上が日本のNPO、NGOの支援によって建てられたものであり、その数は今も増え続けている。

ボランティアの貧しい国への貢献は実際に数字として表れています。