堀江貴文氏の著作「ゼロ なにもない自分に小さなイチを足していく」を読了しました。
私は自己啓発書の類を好みません。お説教臭さが苦手だからです。
そんな私が今回この本を手に取ったのは、少なからず人生のモチベーションが低迷していたからでしょう。

- 作者: 堀江貴文
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2013/11/01
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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自己啓発書の内容はだいたい同じこと
誰もが一度は感じたことがあるのではないでしょうか。
「自己啓発書の内容はどれもだいたい同じことが書いてある」と。
それは、成功者が語る成功の秘訣には普遍の原則が存在しているのだと言い換えることができます。あとはその秘訣について、誰から教わるかです。
この本のなかでも「仕事にやりがいを見出せ」「他人の時間を生きるな、自分の時間を生きろ」という定番の文句は見受けられますし、氏が東大に合格したときの受験戦略については漫画「ドラゴン桜」でも見たようなそのままのアドバイスが語られています。
そんな同じようなお説教を聞くにしても、尊敬している教師から聞くのと相容れない性格の教師から聞くのとでは吸収の効率は大きく変わるでしょう。
堀江氏はネット上での若者人気が高い人物であり、かくいう私も堀江氏が逮捕される前からの「ホリエモン信者」でした。
本書は文章の易しさと堀江氏のカリスマ性が相まって、非常に読みやすくオススメできるものでした。
成功者は才能に恵まれているという決めつけを捨てる
私たちは成功者の体験談を聞く際に、「彼らの成功は彼らの生まれ持った才能あってのことだ」と感じてしまうことはないでしょうか。
言うまでもありませんが、このような元も子もない発想を持っていては成長できません。
堀江氏は「自分はたいして優秀なほうではなかった」と語り、これを否定します。
それでも認めざるを得ないホリエモンの凄み
そうは言っても堀江氏に常人には及びつかない能力があることは認めざるを得ません。
個人的に一番印象的だったエピソードを紹介します。
やりがいとは「見つける」ものではなく、自らの手で「つくる」ものだ。
と述べ、懲役(懲罰として刑務所として課せられる仕事)である紙袋をひたすら畳んでいく作業にすら、仕事の喜びを見出したという話です。
「与えられた仕事」を創意工夫して効率を上げることで自分の成長に変えていく。
刑務所にこんな受刑者が他にいるでしょうか。
自分に自信を持つためのステップ
小さな成功体験を積む
堀江氏の強みは行動力にあると言っていいでしょう。
行動の第一歩を踏み出すための勇気には「自信」が必要なのですが、その自信を形成するためには「経験」が必要なのです。
経験のとっかかりは小さなチャレンジ。軽いノリで小さなことから始めてみることです。
その小さなチャレンジが小さな成功体験となり、小さな自信となるのです。
大きなことを成し遂げるためには、小さな一歩を積み重ねることから始めなくてはいけないのです。
没頭する
「仕事が好きだから、仕事に没頭する」のだと思いがちですが順番は逆で、「仕事に没頭したから、仕事が好きになる」のだという話。
仕事が嫌いだ思っている人は、ただの経験不足だといいます。
これはあらゆる行動において当てはめることができるでしょう。
私が大学の試験勉強を嫌がっているのは没入が足りないのです。無我夢中になる経験をしたことがないということです。
没入のコツは2つあり、1つ目は先述の懲役のエピソードのように、どんな仕事にも「自分の手でルールを作り」、創意工夫をしてやりがいを見出すことです。
2つ目は、「遠くを見ないこと」です。
長期的で大きな目標を掲げると、迷いや気のゆるみが生じて、うまく没頭できなくなる。そこで「今日という1日」にギリギリ達成可能なレベルの目標を掲げ、今日の目標に向かって猛ダッシュしていくのである。
おわりに
冒頭でも述べたように、書籍のエッセンスを抜き書きしてみればそれほど真新しいことは書いていないように感じるかもしれません。
しかし実際にこの本を手に取り、堀江氏が歩んできた成功と挫折の人生のフィルターに通すことで、これらの言葉が説得力を持たせる部分が大いにあると思いました。
今回は紹介できませんでしたが、
- 「このままではこのまま」の自分に気づくこと
- 苦しいからこそシンプルに考える
- あなたは本当に「自立」できているか
などのトピックにも心をつかまれました。
行動力に自信のない人に是非ともおすすめしたい良書です。