いがくぶっく

医学生ブロガー。医学生の日常とダイエット法の体験記事を主に書いていきます。ライター・プロブロガーという肩書きにぼんやりと憧れを抱いております(笑)

実話に基づく園子温「冷たい熱帯魚」の感想は「二度と見たくない!」

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ネットでの評価は折り紙付きであり、あちこちで「Huluで観た」という声が散見される園子温監督の名作「冷たい熱帯魚」。私もようやく観賞しました。

ちなみに読み方は、園(その)子温(しおん)さんです。

圧倒的に男性向け。スプラッターの耐性がある人でも顔をしかめるエログロ描写が多いです。

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あらすじ

熱帯魚店を営んでいる社本(吹越満)と妻の関係はすでに冷え切っており、家庭は不協和音を奏でていた。ある日、彼は人当たりが良く面倒見のいい同業者の村田と知り合い、やがて親しく付き合うようになる。だが、実は村田こそが周りの人間の命を奪う連続殺人犯だと社本が気付いたときはすでに遅く、取り返しのつかない状況に陥っていた。(Yahoo!映画より)

善良そうに見える村田に巧みな話術と暴力で支配される社本。どんどん深みにハマっていく社本と彼の家族の行方は・・・。

感想・評価(微ネタバレ)

導入はいたって日常的

事の発端は吹越満演じる社本の娘「美津子」の万引きをでんでん演じる「村田」がかばってくれたという借りができてしまったことなのですが、これくらいのことは私たちの日常生活においても決してあり得ないことではないでしょう。

村田のような、少し強引だけど一見人の良さそうなオジサンって町にひとりくらいいますからね。

その彼に弱みを握られたが最期、人生をめちゃくちゃにされる。それに抗う術はありません。

村田の経営する「アマゾンゴールド」で働かされている訳アリの女の子の数だけ、社本と同じような目にあっている家族が存在しているというのも恐ろしい話です。

時間の流れが表示される演出がありましたが、これの意味するところは何だったのでしょう。

ひとつには2週間弱という短いあいだに人の人生は転落していってしまうのだということを強調しているのかなと感じました。

ついに覚醒した(キレた)社本にはカタルシスを感じ、少しカッコいいと思ってしまいましたね。

でんでんの怪演すぎる怪演

エログロ要素は視聴者の目線を釘付けにし、名俳優揃いのキャスティングが人間の罪深い心理を見事に演じます。

なかでも村田役のでんでんの怪演はこの作品の代名詞のように高く評価されています。

自分の生き方に絶対的な自信を持ち、自身を「最強」と呼ぶ村田。

自分に不都合な人間を殺め、その死体を山奥で解体し隠滅する。それも慣れた手つきで何体も。

あの遺体の分解の映像はかなりリアルですね。他の動物の肉を使っているのか、セットなのか分かりませんが。(他のレビューで脂肪がない!リアリティがない!と怒っている人がいて、納得するやら困惑するやら)

「ボディを透明にする」という言い回しをたびたび使い、当たり前のように死体遺棄をする凶悪性と表の顔の演じ分けは恐ろしいまでにリアルです。

村田が社本を恫喝気味に言いくるめようとするシーンや妙子を犯すシーンで決まって流れる音楽は、言い知れぬ緊張感があってこちらまで息を飲みました。

実話に基づいた作品である

そしてあまりの映像の迫力に忘れかけていましたが、冒頭に粗いフォントで「THIS IS BASED ON A TRUE STORY」と書かれていた通り、この作品は実話に基づいたものだというのです。

娯楽作品として味わうならば知る必要のないことなのですが、その実話というのが「埼玉愛犬家連続殺人事件(wikipedia)」。

詳細はwikipediaを読んでいただくことにしますが、作中の犯人が熱帯魚店の経営者だったのに対して現実がペットショップ経営であるということ、業界の有名人であったことなどの共通点にはぞっとしました。

「ボディを透明にする」という言葉もまさかのノンフィクションでした。

おわりに

前々から気になっていた「冷たい熱帯魚」が観れたこと、そして期待以上の壮絶な作品であったことは嬉しく思いますが、二度とあの残虐なシーンを見たいとは思いませんね(汗)

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鳥井の採点:70/100点